皇天順ならず(高汝蓮)第22話

タイシは、オルとオリブの二人に引かれ、巨大な帳の前に赴く。
趙王・秦王・許王と公主ら、また遼の諸将も至る。
錦袍を衣とした人が、金で装っている交椅【こうい】(いす)に坐っていた。
状貌(かお、かたち)は雄偉(すぐれて、いさましいようす)。沈毅【ちんき】(おちついて、つよく)で、言は寡【すく】ない。その笑い顧みる視かたは、ふつうでなかった。
額に傷がある。
彼の左右に侍しているものが列をなしていた。
その前でオルらは、左膝を跪けて拱手し肘を揺らす。
黄いろの紙の書を持つ者が、それを示してつげる。
「詔有り」
ジュルチェン人らは、また拝をする。
「遼の趙王シニレ・秦王ディン・許王ニン……蜀国公主ユリエン……趙王妃オリエン・都統タイシ・北王ホリジ・節度使ガリラ・節度使ボデ・節度使チグル・招討ディリウ・詳穏リウキン・同知カイリ……および諸官民を、並びにその罪を赦す」
交椅に坐している人が、少し手を挙げる。
兵らが杖でタイシらの縄を解く。
その人はオルにいう。
「タイシ=リンヤは降附せずといえど、その郷導を為すに労あり。これを明らかに諭【さと】るべきだ」
オルは起き、拱手し身を退けた。
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